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目の病気Q&A/鼻涙管閉塞症

鼻涙管閉塞症

涙液(なみだ)の通り道である鼻涙管が先天的または後天的な原因により閉塞してしまう病気です。

涙液が排出されないため、持続的な涙液(なみだ)や眼脂などがみられます。また、涙道にたまった涙液に微生物が感染することで炎症(結膜炎、眼瞼炎、涙嚢炎など)も起こす可能性があります。

ちなみに、眼脂とはいわゆる“目やに”と呼ばれるものです。

眼表面の付着物で、炎症に伴う血管からの浸出液に粘液、上皮細胞などが混じって形成されるものです。眼脂(目やに)は漿液性眼脂と膿性眼脂に分けられます。漿液性眼脂は色が薄く、粘り気が少ない眼脂で、ウイルス感染やアレルギーによって生じます。

一方、膿性眼脂は黄色でドロッとしており、細菌感染が原因で生じる眼脂です。

原因は

先天性鼻涙管閉塞

おなかの中にいるときの赤ちゃんの鼻涙管は、最初は閉塞した状態です。閉塞した状態から、胎生6~8か月ごろになると開口するようになります。

しかし、何らかの理由によって出生後も閉塞したままの状態となることで先天性鼻涙管閉塞となります。報告によってばらつきがありますが、涙管閉塞は新生児の6~20%程度と高確率にみられるとされています。この場合、流涙や眼脂といった症状が出生直後からみられます。

後天性鼻涙管閉塞

後天性鼻涙管閉塞は感染症、アレルギー、膠原病などの炎症性疾患や涙道異物、外傷などを契機に発症します。

症状一覧

  • 持続的な涙液(なみだ)

  • 眼脂

検査は?(検査と検査所見)

鼻涙管の閉塞を調べる検査としては一般的に、涙道通水検査(涙道洗浄検査)や内視鏡検査、涙道造影などがあります。

涙道通水検査(涙道洗浄検査)

涙管洗浄針を涙点から挿入し、生理食塩水を注入する検査です。涙道の狭窄、閉塞があると注入時に抵抗を感じたり逆流があったりします。

涙道内視鏡検査

局所麻酔を点眼したのち、内視鏡を涙点から挿入し、涙道の内腔を観察する検査です、閉塞部位に対して治療と検査を同時に行うことができます。

涙道造影

造影剤を涙点から注入してX線像を撮影する検査です。正常では造影剤は流れてしまいますが、閉塞している場合は閉塞している部位に造影剤が貯留するため、この貯留があることで閉塞を確認できます。

治療内容

先天性鼻涙管閉塞と後天性鼻涙管閉塞に分けられる

先天性鼻涙管閉塞の場合、

成長に伴い鼻涙管が開通することがあり、この場合は自然治癒が望めるため、涙嚢マッサージや抗菌薬投与で対応します。しかし、それでも鼻涙管が開通しない場合や、1歳になるまでに鼻涙管が開放しない場合は手術により鼻涙管を開放します。

先天性鼻涙管閉塞に対する手術として、プローブやブジーといった細い針金を使った鼻涙管開放術を行います。これはプローブやブジーを涙点から挿入し、閉塞の原因となっているHasner弁付近の膜様物を破る方法です。

 

後天性鼻涙管閉塞の場合、

後天性の鼻涙管閉塞では、涙道内視鏡下涙管チューブ挿入術や涙嚢鼻腔吻合術を行います。涙道内視鏡下涙管チューブ挿入術は、涙道内視鏡下を用いて涙点から鼻涙管へ涙管チューブを挿入して閉塞部位を拡張させる方法です。涙嚢鼻腔吻合術よりも低侵襲な処置となりますが、再閉塞率が高くなるという欠点があります。

通常、閉塞部をブジーで開放したのちチューブを鼻涙管に挿入し、鼻涙管内腔を確保して1カ月~3カ月留置したのち抜去します。涙嚢鼻腔吻合術は、涙嚢と鼻腔を直接つなげることで涙液の通り道を確保する方法です。鼻涙管閉塞の根治療法となりますが、骨を削る必要があるため侵襲性の高い手術となります。

Q&A

Q チューブ挿入術と涙嚢鼻腔吻合術の選択基準は?

涙道が完全に閉塞している場合や、手術しても再度閉塞してしまった場合、再閉塞のおそれがある場合は涙嚢鼻腔吻合術を行います。あくまでも根治的な手術は涙嚢鼻腔吻合術となります。

Q 手術を受ける場合、美容的なところが気になるのですが。

涙嚢鼻腔吻合術には皮膚を切開して涙嚢や鼻骨を露出して行う鼻外法と、鼻内視鏡を用いて鼻腔側から行う鼻内法があります。鼻内法を行うことで皮膚の切開は避けられます。しかし、涙嚢の位置や鼻腔の狭さによっては鼻外法でなければならないこともあります。

Q 手術時間はどれくらいですか?

チューブ挿入術は片側15分程度です。チューブは挿入したのち留置し、2~3か月後に抜去します。

涙嚢鼻腔吻合術を鼻内法で行う場合は片側20分程度です。

Q 手術の場合は、入院は必要でしょうか?

基本的には日帰り手術となります。

Q 手術後に気を付けることは?

手術後は眼帯をします。手術当日の運転や運動はお控えください。また、手術当日の飲酒もお控えください。食事は特に制限はありません。手術翌日以降の洗顔や運動、飲酒は可能です。

 

Q 手術費用はどれくらいでしょうか?

 

種類 3割負担の方 2割負担の方 1割負担の方
涙管チューブ挿入術(片眼) 約15000円 約10000円 約5000円
涙嚢鼻腔吻合術(片眼) 約78000円 約52000円 約26000円

後期高齢者( 一般)や住民税非課税世帯の方は別額になります。

Q 手術で目が見えなくなることはありますか?

手術直後は一時的に麻酔の影響で眼球の動きが鈍くなり、見えにくかったりすることがありますが、あくまでも一時的なものなので心配はありません。

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